2011.11.14 13:34 更新
ファンタジックなステージで観客を魅了した4月公演『バドガ』から約7カ月。新メンバーも加わった劇団鳴かず飛ばずが、来春の公演に向けオーディションを始めるという噂を聞きつけ稽古場にお邪魔しました。
その夜は誕生日を翌日に控えた新入団員・大城彩乃さんのためバースデーケーキにローソク点灯のサプライズも(下写真)。
さて、劇団のオーディションってどんな風に行われるのでしょう?
今年に続き、主宰・米田翔太さんの書き下ろし戯曲ですが、実はまだ完成していません。演出の原田耕太郎さんが台本を持つ役者たちに役を割り振り、即座に演技を求めます。メインの役は限られているので、声のかからない俳優は見学に。同じ役でも俳優をとっかえひっかえ、オーディション期間中にあらゆる組み合わせを試します。
台本を手に持ちながらとはいえ、身振りもつき演技は真に迫っています。どの役者さんも持ち味があるので、見ている間に俳優の数だけ物語ができそうな気さえしてきました。
「誰がどの役をやるか、まだ分かりません。メインキャストから外れたら、セリフの少ない端役になってしまいます。この状態が続くのを精神的にキツイと思う人、楽しんでやれる人、色々だと思いますが、ある日ジグソーパズルのピースがぴったりハマるように、これだ!って感じる時があるんです」と原田さん(下写真・左端)。
台本は終わりまで出来てないのでしょう? 練習中に修正が入ることもあるでしょうし、必ずしも今、正解が見えるわけじゃないのでは?
「すぐに決めはしませんよ」と演出家。「(主役は)芝居を引っ張っていってくれそうな人がやると思いますがね」
オーディションと同じ日に、齊藤久美子さん(上写真・右)が衣裳のプランを持参し、演出家に相談します。齊藤さんは旗揚げから参加しているスタッフ&女優で、不思議な雰囲気のただよう人。その不思議さに惹かれ、7年前に完成後さらにアテ書きされたコント『楽屋』(作/曽山和弘)が今年3月にリバイバル上演されました。『2011鹿児島演劇見本市』では司会も務めたベテランです。
ちょっとお話を聞いてみます。「ステージで何かするみたいなのは、保育園の頃からだったと思います。人見知りする性格でしたし最初セリフもなかったです。それが小学生になり中学生に上がりとしている間に、舞台上でセリフも言うようになって、高校で演劇部へ」
順調にステップアップしてきたように見える齊藤さんですが、当時を振り返れば、まだ自分で何かを舞台に持ち込み表現する段階ではなかったと自己分析します。高校の演劇祭で他校の生徒と交流したことが大きな刺激になったのでしょう、在学中、学校の枠を超えて『舞台症候群(ステージシンドローム)』という劇団に飛び込みましたが・・・
「数年後、劇団の解散を主宰の自宅で聞かされた時、号泣しました」
ところが運命とは不思議なもの!その後に入った劇団Show Works公演『審美眼』(作/三角昌裕)でいきなりヒロインを。劇団鳴かず飛ばずの現メンバー・原田耕太郎さんや春田早希奈さんも在籍していました。何も出来ないから、せめて練習には遅刻せずセリフだけはきちんと暗記しようと思っていたそうですが、内心ではヒロインの自分が芝居を引っ張っていかなければならない、公演を見に来てくれる観客の期待に応えなくてはならない!と精一杯打ち込んだそうです。
「だから役のことを自分なりに考えたり、演技の幅を持たせようと意識したり、やっと自由にできるようになれたのが、その次の舞台『夜明けの音』(作/三角昌裕)からでした」
人見知りする保育園の頃に比べたら、「私って成長してたんですね(ふ・ふ・ふ)」と笑う齊藤さんです。
演劇を長く続けてきて、成長もあって、自分なりに気づいたことってありますか?
「演劇をしていたせいかどうかは分からないけど」とつぶやいた後で、「・・・頑固だなぁって」
え?ガ、ガンコですかぁ。
「私、頑固なんだなって」
不思議な空気を引っ張りながらインタビューは次回へ。
(つづく)