2010.09.06 20:58 更新

演出家といえばニナミカのお父さん・蜷川幸雄くらいしか知らなかった私、最近になって鹿児島に原田耕太郎さんというデッカイ演出家がいると聞いた。人間として器が大きく、背も高いらしく、女性にもモテル?... とにかく存在感バッチリ。それが証拠に先月末の南日本新聞に掲載された演劇ユニット ノヴァの刺身による市電を使ったユニークな公演の記事中、原田さんは客演だったにもかかわらず写真が一番大きく出ていた。
俳優として3度表舞台に立った今年、現在は封切りが来月に迫った劇団鳴かず飛ばず「大江戸ロケット」の演出に集中している。
原田さんって、どんな人? マルチタレント? 稽古場の宝山ホールを訪ねた。
「演出家です。演出家はいつも刺激を求めるので、他の劇団の企画に俳優として参加することも良い刺激になります」と原田さん。台本を持って鏡の張られた壁を背に座り、役者たちの動きをゆったりと見つめている。ときには稽古に来られなかった俳優の台詞を代読しながら。同時進行で作業中の衣装、メーキャップを研究するスタッフからも意見を求められる。演出家はスタッフの創意工夫を認め、励まし、指示を与える。俳優陣は大学生、社会人など、他劇団からの参加もあって本公演では総勢20名を超える若者が芝居をし、ダンスをし、殺陣も行うという。タイトル通り、でっかいロケットも登場する破格のスケールとなれば、10月の9・10・11日、会場のサンエールかごしまは、原田さんたちヤング・ジェネレーションのエネルギーであふれかえるに違いない。
原田さんたちが取り組む「大江戸ロケット」とは、そもそもどんな物語なのだろう?
12代将軍・徳川家慶の老中 水野忠邦が断行した質素倹約令により、贅沢と娯楽は敵とみなされた江戸で、掟を破り、打ち上げ花火の試射に命を賭ける玉屋清吉。清吉の前に謎の美女ソラが現れ、懇願した。私は月から地球へ怪獣を追って来たが、宇宙船が壊れ帰還できない。お前の花火に乗せて、月まで私を送って欲しい、と。
清吉は長屋に住む仲間と一致団結し、一世一代の大花火・空飛ぶ竜を想わせるロケット打ち上げプロジェクトを起動させた!
原田さんは言う。設定は江戸時代だが、鹿児島の人間にとりロケットは常に頭のどこかに意識されている、と。たしかに今夏7年目にして地球へ帰り着いた究極の根性物語、小惑星探査機「はやぶさ」も内之浦宇宙空間観測所から発射されたのだ。「それに」と、人なつこい笑みを浮かべながら言葉を継ぐ原田さんだ。「今の若者は、って言葉で語られる場面ってよくありますよね。よく聞くじゃないですか。今の若者うんぬんと。じゃあ、今の、鹿児島の若者たちが力を合わせたら、どんなことが出来るのか!? それを見て欲しい」
(つづく)
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