2010.02.03 16:22 更新
名月博多駅(福岡市・福岡県)
床前 月光を看る
疑うらくは是地上の霜
頭を挙げて山月を望み
頭を低れて故郷を思う
(唐・李白「静夜思」)
筆者の旅は、どこへ行くにも列車が多いのだが、終わりを実感するのは博多駅に着く時だ。鹿児島はまだ遥かだが、九州に入ると我が家に戻ったような気持ちになる。少し寂しいけれど、次の旅立ちも楽しみだ。鹿児島行きの特急を待ちながら、まだ見ぬ土地へ思いをはせる。尽きることのない旅情は、旅師の何よりの活力源である。
現在の博多駅は、九州新幹線の全線開通に向けて突貫工事が進んでいる。見慣れた博多井筒屋のビルはとうに消え、無骨な鉄骨とクレーンが立ち並ぶ様はいささか殺風景だが、あと1年もすれば目を見張る世界になるだろう。
ふと見上げると、クレーンのはるか頭上にポッカリ満月が浮かんでいる。下界を見守るお月様と目を合わせ、旅の無事を感謝する。
yu