2009.07.10 00:01 更新
名湯、こんこん三千年/伊予道後温泉(松山市・愛媛県)
熟田津に 船乗せむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな(額田王)
有馬・白浜とともに、日本三古湯の1つに挙げられる道後温泉。古くは「にきたつの湯」と呼ばれ、一説にその歴史は3000年と伝わる。聖徳太子、舒明天皇、斉明天皇、中大兄皇子(後の天智天皇)など、数多くの皇族もこの地を訪れた。
上記の歌は、滅亡の危機に瀕した朝鮮半島の同盟国・百済を救援するため、倭の遠征軍が出航する際に詠まれた有名な万葉和歌。時の斉明帝が大和から九州への途上、この地を訪れたことがわかる。
この温泉をさらに有名にしたのが、明治時代に建てられた「道後温泉本館」。当時の町長が給料を返上して巨費を投じたという木造三層の堂々たる楼閣は、今や国の重要文化財にして、四国有数の観光名所である。
心ゆくまで湯に遊び、階上の大広間で茶を喫しながら縁側にもたれる。夜風に吹かれつつ通りのにぎわいに目を下ろせば、しっとりした旅情が溢れてくる。屋上から響く刻太鼓の音も風雅で、身も心も大いに癒された。
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(写真上)夜を迎え、一層のにぎわいを見せる道後温泉。振鷺閣の赤いギヤマンが夜空に映える。大広間で茶を喫しつつ、通りを眺めるのも楽しい
(写真下)朝6時の開門を前に、ズラリと並ぶ入浴客。刻太鼓の音を待ちかねて列が動き始める