2008.12.08 00:38 更新
わたしのにゃんこ/田沢湖(秋田県)
はるか湖面にはカモの群れがただよい、砂を踏む音だけが聞こえる静かな世界。キラキラ輝く水面に目をこらしながら、ボウッと過ごすひととき。やっぱり、来て良かったな...。
と、どこにいたのだろ? いつの間にか小さなネコが足元に寄ってきた。「おやおや?」―足元をクルクル回ったかと思えば、靴に顔をスリスリ。首輪は無いけど、驚くほど愛敬がある。「お前、どこから来たんだぁ?」――こちらも顔がほころび、頭をナデナデ。思いがけない小さな出会い。これも旅の楽しみだろう。
しかし、そろそろ帰りの時間が迫ってきた...。ネコと一緒に、さっき来た道を引き返す。連れて帰りたいけど、旅はまだ長い。貸しボートの看板下でお別れだ。
「バイバイ、元気でね」「ちゃんと冬を越すんだぞ!」――たたずむネコに手を振りながら、足を早める。ネコが小さな黒い点になり、それも見えなくなるまで何度も振り返った。
矢野顕子の「わたしのにゃんこ」は、野良ネコと子供たちの短い出会いを歌った切ない名曲だ。あれからネコを見かけるたびに、田沢湖の出会いと彼女の歌声を思い出す。「どこからきたの♪」「幸せでいるの♪」――優しい飼い主のところで、元気でいてほしい。今年も東北の冬は駆け足で迫りつつある。
yu